「褥瘡とは、寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうこと」(日本褥瘡学会より)
褥瘡を予防するためには、寝たきりになせないという
ことがまずは重要なのですが、重篤な患者さんの場合
は理想を求めることができないことも。
看護師さんは、2時間ごとに体位変換をし、
クッションなどを駆使してよいポジショニングを作り
ます。それでも肘やかがと、仙骨あたりにできて
しまうことも。
日本褥瘡学会から講演の依頼があり、改めて論文を見
ていたら、こんな論文を見つけました。
Control of bacterial contamination of bed sores by
using some natural extracts.
(Journal of Applied Sciences Research
6(1):70-80.2010)
これによると、カイロの病院で治療を受ける35名の
褥瘡患者さんの創傷部位には、
表皮ブドウ球菌 (31.4%)、
尋常性プロテウス(28.6%)、
緑膿菌(22.8%)、
大腸菌(8.6%)、
肺炎桿菌(5.8%)、
黄色ブドウ球菌(2.8%)
と多種な菌が見つかったそうです。
それに対して、効果があったものは
ヨウ素、ベタジンといった薬剤のほか、
ツメヤシ蜂蜜、セダー蜂蜜、柑橘類蜂蜜
などのハチミツにも菌の抑制が見られたそう。
精油は、ペパーミント、タイムに抑制効果が見られた
とのこと。
「だからと言って、褥瘡部位にハチミツ
や精油をつけてはいけません!」
これは、褥瘡部位につく「菌」に対する抑制効果だけ
の話ですから。
私たちは、ペパーミントやタイムに肌を乾燥させない
ゼラニウム、フランキンセンス、ラベンダーを加え、
褥瘡にならないようにホホバオイルにマルラオイルや
カレンデュラオイルなどを混ぜ、褥瘡にならないよう
に血液循環促進を目的にアロママッサージをすること
はできます。
柑橘系の香りを使って、食欲を上げてしっかり召し上
がっていただくことや緩いうんちが出てしまった後、
お尻をキレイにして、最後にフローラルウォーターで
さっぱりと拭いて差し上げることもできます。
役割を逸脱することなく、1つの研究結果だけで突っ
走らないで、そこから私たちの仕事にむずびつける
有用性を探ろう!!