私は週1回、都内公立病院緩和ケア病棟で訪問アロマをしています。
朝10時、医師や看護師と患者さんの情報を共有してから、
アロマがスタートします。
病室に伺う前には、小さく深呼吸して気持ちを落ち着けます。
患者さんにお会いした後は、
患者さんの表情や姿勢、
声の強さや言葉、
部屋全体の様子などから
患者さんが望んでいることや気にかけていることを察し、
精油や施術方法を決めていきます。
以前、「もう針1本でも打たれたくない」と声を荒げていた患者さんがおられました。
患者さんの背中をさすりながら、語りに耳を傾けていると、
これまで体を張って治療をしてきたこと、
治療に疲れたこと、
家族を心配していることが表れていました。
話し終わると「あなたなら大丈夫、アロマお願いします」と少し笑顔が見られました。
施術が終わると「人に触れられるのがこんなに気持ちいいとは思わなかった。ありがとう」と言ってくださいました。
患者さんの笑顔を見るとき、臨床アロマセラピストになってよかったと心から思う瞬間です。
患者さんや医師や看護師の皆さんに、たくさんのことを教えていただきながら、
できる限り良いアロマケアを提供したい…そう思いながら毎週通っています。