看護師としてがん患者さまと関わる中で、緩和ケアの1つとして行われているアロママッサージに興味を持ちました。職場ではすでにアロママッサージが取り入れられていましたが、患者さまに安全に行うだけの知識、技術が自分にあるのだろうかと不安を感じていました。そんな私の拙いマッサージでも、「気持ちよかったよ」と言ってくれる患者さまのために、もっと勉強しなければ…とも思っていました。でも、どこで勉強すれば良いのかわからず、そこから数年が経ってしまいました。そして、日々の業務に追われて、看護とは何かを見失いそうになっていた時、相原先生の著書「臨床アロマセラピストになる」に出会いました。その本の中には、私がこうありたいと思っていたケアがあふれていました。「アロマを学ぶなら、この先生に教えていただきたい!」。 そう強く感じたことを、今も鮮明に覚えています。
インターネットで検索すれば、簡単に資格が取れますと書かれているアロマスクールはたくさんあります。でも、患者さまのために勉強するなら、より大変で、実習もできるスクールが良いと思っていました。HCPSでは、解剖生理学、病態生理学をはじめ、心身医学や発達心理学、グリーフケアなど幅広い分野を現役の医師や専門家から学ぶことができます。看護師の私でも「知らなかった!」と気づくこともたくさんありました。そして何より、症例検討や病院実習を通して、ケアする者としての精神を鍛えられたと思っています。HCPSの学びによって、より広い視野で患者さまに向き合うことができるようになったと感じています。
ありがたいことに、今までの職場での活動が認められ、臨床アロマセラピーの実践看護師として、毎月決められた活動時間をいただけることになりました。活動時間があることにより、臨床アロマセラピーの活動に専念でき、今まで行えなかった外来の患者さまにも介入が可能になります。すべてが新しい取り組みになるため、これから大変だと思いますが、必要としてくれる患者さまのために、私ができるケアを実践していきたいと考えています。
私は入校までに悩み、「今はまだ早いかも」「来年になったら行けるかも」と、入校できない言い訳を自分にしていました。でも、そのままだったら、きっと同じ言い訳を何年も続けて、最終的に「あの時やっておけば良かった」と後悔したに違いありません。私が一歩を踏み出すことができたのは、友人の応援や患者さまの存在もありましたが、私自身が「変わりたい!」と強く思ったからです。 私と同じような思いを持っている方がいるかもしれません。ぜひ、勇気を出して前に進んでみてください。やらなかったことを後悔しないように。