窮地に置かれた時の対応はとても重要だ
言い訳で仕方ないと認めてもらおうとする人
状況を把握せず自分の希望だけ言う人
救いを求めるところを間違える人
ただどうしようとオロオロしている人
どれも「ヤバイ!」という声が聞こえてきそう。
やり方を間違えればピンチが続いてしまう。
そうなれば不安でいっぱいになるだろう。
五木寛之氏は著書「不安の力」の中で、
「不安は人間らしく生きようと思う心の余裕から
生まれてくる質の高い感覚」と言っている。
確かにどの反応もある意味、とても人間らしい。
五木は不安を力に換えるならば不安の原因を探れ
と言っている。
ピンチの時こそ、いかに誠実に、
誤魔化さず自分を見つめられるかって
ところなんだと思う。
なぜこうなったのか、自分は何に怯えているのかと。
そうすれば、自ずと言葉も行動も見えてくる。
もう一つ腹をくくる強さも必要だ。
人間の一番のピンチは「死」だろう。
言い訳も自己主張も通じない。
さあ、私は腹がくくれるだろうか
「『お先にお休みなさい』と家族に挨拶をして
寝室に向かい、そのまま目が覚めないような死に方に
憧れてきた。しかし、それはあくまでも今を生きて
いる者の秘めやかな願いに過ぎない」と
94歳になられた川嶋みどり先生が
「私的高齢者 ケア論」(医学書院)の中で
書かれている。
腹がくくれなくても
この世からいなくなることに狼狽えることも
また人間らしいのだと思っておこう。